ASAHIの家づくり

家づくりにかける想い。

永く使え、暮らしに合わせ変えられる住まい。

家づくりを考えるきっかけは人それぞれですが、住まいは洋服や車のようにおいそれと買い替えができない代物です。だからこそ20年、30年先の「暮らしの変化」「家族の成長」などを見越して、永く使え、暮らしに合わせ変えられる住まいとすることは、非常に大切なことです。暮らしを家に合わせるのではなく、家が暮らしに寄り添って変わっていく、という考え方です。

では、どうすれば家を永く大切に使うことができるでしょうか?それを実現するために私たちは、暮らしの基本である3つの要素『美・快・柔』を大切にしています。

まず必要なのが、『美』です。美しくない家は好きになってもらえず、住みたいとも思われません。美しいからこそ、愛着を持って永く暮らしていけるのではないでしょうか。

しかし、それだけでは不十分で、実際住むためには『快』という住み心地の良さが不可欠です。住まう人の快適性を守る基本性能は、永く住み継がれるためには絶対欠かせません。

そして『柔』。10年後20年後の暮らしの変化に伴い、住まいもその暮らしに合わせて柔軟に変化していけることで、永く愛され続ける住まいとなっていくのです。

家を永く大切に使えるということは、住まい手にとって意味があるのはもちろん、資源の無駄遣いを無くし、地球環境への負荷を減らすことへも繋がっていきます。

私たちが大切にしていること『暮らしの基本』。

ロングライフデザイン ~永く飽きのこない普遍的なデザイン〜

『飽きのこない普遍的なデザイン』とは何でしょうか…。

世の中には、永く愛され使い続けられる「定番」と呼ばれるモノがあります。それは、ファッションやインテリアや工業製品など様々な分野のモノがありますが、そこにはいくつかの共通点があります。

「簡素・単純な形状でありながらも、不思議と美しく感じる造形美、そして機能性、耐久性、使い心地の良さといった、表面的な部分だけはない本来の目的を果たしていること」ではないでしょうか。このことは、私たちの考える家づくりにも共通します。

「Less is more(レス・イズ・モア)」・「神は細部に宿る」という二つの言葉があります。近代建築の巨匠ミース・ファン・デル・ローエの言葉と言われています。 この言葉には色々な捉え方がありますが、「Less is more」を直訳すると「より少ないことは、より豊かなこと」と訳されます。近代以前の建築には、好んで彫刻などの装飾が施されました。つまり装飾などを付け加えるこ とによって、建築はより豊かに美しくなると考えられていました。

ミースはそうした無駄な装飾などを一切排除して、極限までシンプルでミニマルな造形美を追求していきました。すると、より細部(ディテール)に目がいくようになります。ミースは、美と機能の追求は「細部」へのこだわりが 重要であり、細部まできめ細かく配慮して作られ、積み上げられて構築されたものこそ美しく、「細部」が全体の完成度・印象に大きな影響を及し、装飾を超える豊かさ・美しさを持つと考えたと言われています。ミースの残した建築・家具などが、時代を超えて今なお愛され続けられる理由の一つではないでしょうか。

私たちは、人の暮らしから家を発想し、それにふさわしいカタチを求めてきました。シンプルでありながらも、細部に至るまで、機能に応じた自然で美しいカタチを探り、考え抜きいつまでも愛される普遍的なデザインを追求していきます。

「快適」でなければ永く使われない。 ~快適性の基本『断熱気密性能』の重要性〜

何をどう「快適」と感じるかは、住み手の感覚や生活スタイルによっても変わってきますが少なくとも家の快適性の基本といえる「断熱気密性能」は、一定以上のレベルが求められます。

ところが、デザイン・素材など目に見えるものは自分で決めたいと思う方も、目に見えない「性能」については、専門家に任せきりにする傾向があるようです。「基準をクリアしているから、大丈夫だろう。専門家が言うのだから間違いないだろう。」とそれ以上は深く確認しないままになっているのではないでしょうか。しかし、目に見えない「性能」こそ、住まい手がその意味・内容を理解し確認する必要があるはずです。

「高断熱高気密」という言葉をよく耳にします。言葉のイメージからは、高い性能と思われている方も多いのではないでしょうか。では、具体的にどういうものの事を指すのでしょうか?実は法的・数値的な定義はありません。「これこれこういう断熱性能で、こういう気密性能です」という決まりがないのです。そのため、どのレベルが高断熱で、高気密なのか、数値的定義が無い以上、この言葉から性能を客観的に評価することはできません。

家の「快適さ」は目に見えません。だからこそ快適性の基本である「断熱気密性能」は数値化して目に見えるようにすることで、客観的に性能を評価する根拠となる基準が必要です。それが1999年(平成11年)に国が制定した『次世代省エネルギー基準』です。その後2013年(平成25年)に改正され、住宅においては、2015年(平成27年)にこの基準が完全義務化されます。しかし、そのレベルは1999年当時の基準程度に過ぎません。

未だに「次世代・・・・・」というネーミングゆえに、この基準が「高い性能」だと勘違いしている実務者も多いようです。そもそもこの基準は、最低限度の住環境を守ることが目的であり決して快適さを保証するものではありません。

私たちが目指す「快適さ」とは、ここ北海道の厳しい自然環境の中でも、外気の影響を受けにくい質の高い断熱気密性能を確保し、出来るだけ設備に頼らず、太陽の熱・光、風など自然のチカラをうまく利用することで、家の中の室温を安定させ、より少ない冷暖房エネルギーで家全体を快適な室温に保つことです。そうすることで、寒さ、暑さなどのストレスから解放され、いつも快適な室内環境を保てるのです。

そのために私たちは、一つひとつの家ごとに、断熱省エネ性能計算プログラムを用いて、性能を数値化・解析し、室温維持に必要なエネルギー量などを把握することで、快適で省エネルギーな室内環境づくりに取り組み、デザインや素材などの見た目だけではなく、空気や温度の品質も大切にしています。

暮らしの変化に合わせ、柔軟に変えられる。 ~安心して永く使える『暮らしの器』〜

小学校の入学に合わせてつくった子供部屋。その部屋は高校生になってからも使えますか。子供が独立して家を離れたら、誰が部屋を使うのでしょう。家族は日々成長し、家族の暮らし方も変化していきます。「今」の家族の暮らしに合わせて考えた家が、10年後20年後の家族の暮らしに合わなくなり、建物はまだ使えるのに、構造の都合で間取りの変更ができず暮らしづらいのを我慢したり、物置になってしまったり、最終的には壊して建て直すことになってしまう。そうした事例は多く、それが日本の住宅の寿命を短くしてきた理由の一つとされています。この問題は家の「性能」で解決できる問題ではなさそうです。

そこで、図のような『長期間変わらず、頑丈で断熱気密性能が高い骨格(スケルトン)』と『自由に変えられる内装・間仕切り・設備等(インフィル)』を初めから分けて考える発想『スケルトン・インフィル』というものがあります。

こうすることで、スケルトン(骨格)の耐震性・耐久性・快適性(断熱性能)はそのままに最初に考えたインフィル(内装・間仕切り・設備)が10年後20年後の暮らしの変化に伴い、その暮らしに合わせて柔軟に変えていくことで、ずっと「暮らし」に見合った家で在り続けられ、暮らしを家に合わせるのではなく、家が暮らしに寄り添って変わって行けるのです。

このことは、家の不動産価値にも直結します。親から子へ、子から孫へ又は別の世代へ、受け継がれ・住み継がれていく『暮らしの器』であるべきではないでしょうか。

朝日産業の建てる家